通信制大学と専門学校どちらが良い?社会人学習者の体験談まとめ

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働きながら学び直し──となると候補に上がるのが通信制大学専門学校。学位か資格か、理論か実務か、学び方の違いは多くあります。本記事では、実際に学んだ社会人の声をもとに、目的別の向き・不向きや費用・学習負担・キャリアへの効き方を整理します。

結論から言えば、学位(学士)や研究的素養、幅広い教養を社内外で証明したいなら通信制大学。即戦力スキルや国家資格の取得、短期での職種転換を狙うなら専門学校が本命です。ただし、働き方や家庭状況、オンライン可否、通学頻度、企業の評価軸によって最適解は変わります。まずは比較表で全体像をつかみ、その後「体験談」と「選び方チェックリスト」で自分事に落とし込みましょう。

通信制大学と専門学校の違い(比較表)

ここでの比較は一般的な傾向です。募集要項や単位認定、スクーリング条件は学校により異なるため必ず最新情報をご確認ください。

項目 通信制大学 専門学校
取得できるもの 学士(短大は短期大学士)。教養+専門の体系的学び 専門士・高度専門士、各種資格の受験資格や実務スキル
学びの重心 理論・リサーチ・レポート・卒業研究 実習・制作・演習・資格対策・ポートフォリオ
期間の目安 2〜4年(在籍延長可) 1〜2年(集中型)
学習スタイル オンライン科目+スクーリング(年数回)+科目試験 通学中心(一部オンライン併用)。時間割に沿った受講
柔軟性 高い(自分のペースで履修計画) 中〜低(時間割の固定度が高い)
キャリアでの評価 学位要件・昇進基準・公務員要件で有利な場面あり 実務即戦力・資格必須職(医療/建築/ITなど)で強い
向いている人 教養+専門を広く深めたい/研究ベースの思考を磨きたい 短期で職種転換/手に職・資格を取りたい/作品で勝負したい

社会人の体験談:選んだ理由とリアル

「昇進条件に“学士”が必要で通信制大へ」(メーカー営業・30代)

選んだ理由:社内規程で管理職昇進に学士が必要。夜間の通学は難しく、週末レポート+年2回のスクーリングで完結する通信を選択。

良かった点:経営・統計・心理など横断的に学べて、提案資料の根拠が強くなった。上司との会話でも理論の引き出しが増えた。

大変だった点:締切直前のレポート地獄。日曜夜を「レポート固定枠」にして乗り切った。

「医療系の資格取得で専門学校に」(医療事務→診療情報管理・20代後半)

選んだ理由:現職で資格が評価される上に、実習と試験対策が密な専門学校が有利と判断。1年集中で転職を狙った。

良かった点:現場出身の講師から実務のクセを学べた。ポートフォリオ(症例要約)を面接で高評価に。

大変だった点:平日夕方の通学が負担。会社の時短制度と有休をフル活用。

「クリエイティブ転身で専門学校+副業実績づくり」(事務→Webデザイン・40代)

選んだ理由:作品勝負の世界。課題→添削→公開のサイクルが早い専門を選び、在学中からクラウド案件に挑戦。

良かった点:現役デザイナーのレビューで商用クオリティが身についた。転職前から副業収入が発生。

大変だった点:〆切が多く、家事分担を見直し。週末は“制作合宿デー”に。

「IT基礎を体系的に学び直したくて通信制大の情報系へ」(インフラ保守・30代)

選んだ理由:実務はあっても理論が弱いと感じ、計算機科学・アルゴリズム・ネットワークを基礎から学ぶため通信へ。

良かった点:抽象概念がつながり、設計レビューでの発言が変わった。長期的には大学院進学も視野に。

大変だった点:数学リメディアルに苦戦。早朝30分の積み上げで克服。

どちらが向いている?目的別マッチング

  • 学位が昇進・公募条件で必要:通信制大学が第一候補。履修を“無理のない年次設計”にできるかが鍵。
  • 1〜2年で職種転換・資格必須職を狙う:専門学校。実習と就職支援の密度で選ぶ。
  • 研究的素養や文章力を鍛えたい:通信制大学(レポート・卒論の負荷が武器になる)。
  • 作品で見せるクリエイティブ職:専門学校(ポートフォリオ・コンペ・現役講師)。
  • 地方・海外在住・子育て中で通学が難しい:通信制大学やオンライン併用の専門を要検討。

迷う場合は「1年後に何を持っていたいか(学位/資格/作品/研究テーマ)」を言語化し、そこから逆算すると決めやすくなります。

費用・学習時間・通学頻度の目安

金額や要件は学校・専攻で大きく異なります。以下はあくまで参考レンジです。

項目 通信制大学 専門学校
学費レンジ 年間10〜30万円台中心(学部により増減) 年間80〜150万円程度(分野により機材費あり)
学習時間/週 5〜10時間(繁忙期は15時間) 10〜20時間(課題・制作で増加しやすい)
通学頻度 スクーリング年数回+試験 週2〜5日(夜間・土日コースあり)
追加コスト スクーリング交通費・参考書 教材・機材・検定料・作品出力費

働きながらの学びは、時間の現実性が最重要。スケジュール表に「固定学習枠」を先に入れ、家族と共有してから出願するのがおすすめです。

キャリアへの効き方:転職/昇進/独立

昇進・社内評価に効くのは?

管理職登用や公務員の採用条件で「学士」が必須な場合、通信制大学がダイレクトに効きます。履歴書に「学士取得予定」と書くだけで応募条件を満たせるケースも。特に大企業や行政関連では「学歴要件」がまだまだ存在します。

転職・職種転換に効くのは?

即戦力職種や資格必須職(医療・建築・IT・クリエイティブ)では、専門学校が強力です。資格や作品がすぐにポートフォリオに加わり、転職市場での説得力が高まります。

副業・独立に効くのは?

デザイン・動画・プログラミング系の専門学校でポートフォリオを蓄積し、副業→独立というルートは再現性が高いです。一方、通信制大学は研究テーマを深めて大学院進学や専門家としての執筆・講演などにつながる可能性があります。

共通する学び直しの効用

どちらを選んでも共通するのは、「学び続ける姿勢そのものが評価される」という点です。レポート提出・制作課題・試験勉強の継続は、自己管理力や計画力の証明となり、キャリアにプラスの印象を与えます。

迷ったときのチェックリスト

以下の質問に「はい/いいえ」で答えてみると、自分に合う進路が見えてきます。

  • 昇進や応募条件で学位(学士)が必要 → はい → 通信制大学
  • 1〜2年で資格取得や職種転換を狙いたい → はい → 専門学校
  • 時間はバラバラだが毎週学習はできる → はい → 通信制大学
  • 固定スケジュールの方が逆に安心して学べる → はい → 専門学校
  • 論文や研究テーマに興味がある → はい → 通信制大学
  • 作品やポートフォリオで実力を示したい → はい → 専門学校

結果がどちらかに偏ったなら、その道が現時点でのベスト。半々なら「体験入学/資料請求」で実際に雰囲気を比べてみましょう。

よくある質問

Q1. 通信制大学は本当に卒業できるの?

在籍者の卒業率は4〜5割前後といわれます。カギは「レポートを早めに提出する習慣」を持てるかどうか。無理せず1年目は少なめに履修するのがおすすめです。

Q2. 専門学校は社会人でも浮かない?

夜間部・社会人コースも増えており、クラスの半数以上が社会人というケースも。年齢や職歴はむしろ強みになり、若い学生からも頼られることがあります。

Q3. 費用が高くて迷うのですが…

教育訓練給付制度の対象になっていないか確認しましょう。最大70%の学費が支給される場合があります。分野によっては専門学校も対象です。

Q4. 会社に学び直しをどう伝える?

「資格取得」「スキルアップ」「昇進条件」など業務に直結する理由を添えると理解を得やすいです。学位目的の場合は長期計画として説明すると安心感を与えられます。

まとめ:生活設計と目的の一致がカギ

通信制大学と専門学校、どちらも社会人の学び直しを支える有力な選択肢です。ただし得られるものは大きく異なります。

  • 通信制大学:学位・研究・幅広い教養。長期で腰を据えて学びたい、昇進要件を満たしたい人に。
  • 専門学校:資格・スキル・作品。短期間で職種転換、副業・独立の実績をつくりたい人に。

どちらが正解かは、「1年後・3年後に何を持っていたいか」によって変わります。学位か資格か、研究か実務か──目的とライフスタイルに合致した方を選ぶことが、最も後悔の少ない選択につながります。

そして共通するのは、学び続ける姿勢こそ最大の資産という点です。通信制でも専門学校でも、課題やレポートをやり遂げた経験は、自己管理力・問題解決力としてキャリアの武器になります。

まずは資料請求や体験授業で雰囲気を比べてみましょう。小さな一歩が、学び直しの大きな扉を開きます。

学び直しは「今さら」ではなく「これから」のための投資です。通信制大学か専門学校か、自分に最適な道を見極めて、新しいキャリアの可能性を切り開いていきましょう。